このホームページは、ブログ「折畳自転車はじめます」の記事を整理したものです。
まず、自分の理想の自転車を考え、譲れない点、妥協しても良い点を明確にします。ミニベロを製作しているフレームビルダーはありますが、折畳自転車はラインナップに有りません。フレームだけ買って組立てることはできないので、自分の理想に一番近い折畳自転車を探します。私の場合は、
・ドロップバーは必須、ライディングポジションが出せる。
・変速範囲は、どこにでも行ける=足柄峠を越えてあざみに登り帰ってこれること。ただし、下りで回し切らないように700C換算で50×12T以上確保できる。
・狭い面積に収納できるように折畳が楽で、小さく、軽く(目標は車体重量10Kg程度)輪行が楽なこと。
・折畳自転車としては一般的で自転車店で販売していることが多い20インチタイヤ使用。
・Dura-Ace9000を使いたい。特に命にかかわる下りのブレーキ性能は重要、また、宇宙一の変速性能を体感したい。
でした。
折畳自転車の選択にあたり注目すべきポイントを解説します。スペックにCustom for Ternなどの記載があるパーツは要注意です。
ボトムブラケットはJIS/BSA規格なら汎用性があるので問題ありません。スペーサーが入っていても外せるので、問題の有無はともかくクランクの取付は可能です。クランクはチェーンラインを合わせる場合やフロントディレーラーの取付位置により制約があり、現物合わせで使用可否を確認することになります。
フロントディレーラーを追加する場合、フロントディレーラーの台座が用意されているか?なければバンド締めの台座を使用して取付けますが、機種が指定されているので、指定機種以外に取付ける場合は現物合わせになります。
折畳自転車はシートポストが太くフロントディレーラー取付位置が外側になりインナーリングに変速できなくなるので、BBにスペーサーを入れてチェーンリングの位置を調整するためクランクシャフトが長いCustom品を使ったりトリプル用クランクで外側2枚を使う場合が多いです。ロード用クランクをそのまま使いたい場合は要注意です。
折畳自転車のフレーム形状とアウターリングのサイズによっては、アームの長いタイプのフロントディレーラーはアームがフレームに当たり変速できません。今回はFD-9000のアームがフレームに当たるためFD-7900を使用しています。
リア1段または内装変速でリアディレーラー台座が無い場合、外装変速を追加することは素人には難しいです。リアの変速段数はホイールについているカセットにより決まりますので、要求仕様に合わなければリアホイールも組み直しになります。例えばCapreo9速採用車を11速にカスタマイズするにはコンポだけでなくカセットも交換、つまり、ハブを交換してホイールの組み直しになります。
折畳自転車のリアエンド幅は130mmと135mmがあります。ロード用コンポは130mm、MTB用コンポは135mmです。ロード用でもディスクブレーキ車は135mmですが、キャリパー台座付きフレームでなければディスクブレーキは使えません。
Dura-Ace9000のリアセンターの推奨値は405mm以上ですが、X30hは400mmです。チェーンの曲がりが大きくなるので、インナートップ、アウターローなどの制約は理解しておくしかありません。2015VergeX18のリアセンターは写真をPhotoshopで比較すると長く見えるので展示会で測定すると430mmでした。素人目には同じように見えても設計で対応されているわけです。カスタマイズにあたっては細かい部分のリスクも考慮しておきましょう。
変速関係は現物合わせが多くなります。例えば、フロントディレーラーのワイヤーの引きが重いので、フロントディレーラーを取付けた台座と別にもう一つ台座バンドを追加してワイヤー引き方向の角度を調整しています。
Ternの場合、ハンドルポスト長350mmと290mm、前傾角も6度、12度と4種類、ステム長も3種類用意されており、また、長さを変えることのできるサードパーティー製ステムもあるのでポジションは出しやすいです。
ただし、Androsステムはハンドル取付径が25.4mmなので選択できるドロップバーはほとんどありません。サードパーティー製ステムはハンドル取付径が26mmと31.8mm2種類あるのでハンドル選択に不自由は有りません。
工具無しで折畳可能となるとAndrosステムしかありませんが、ステム長85mm、ハンドル取付径25.4mmの制約が有ります。
ブレーキにはロード用のキャリパーブレーキ、MTB用のVブレーキ、ディスクブレーキがありますが、一般的な折畳自転車ではVブレーキが搭載されていてフレーム形状が違うので互換性はありません。
ロード用コンポ搭載を希望する場合、ロード用レバーでVブレーキが引けるかは現物確認になりますので、キャリパーブレーキ搭載車を選択するほうが無難です。
タイヤを標準より細くする場合は問題は少ないですが、太くする場合はタイヤがブレーキキャリパーに接触しないか確認が必要です。キャリパーを交換する場合も同様で、接触したらタイヤを細くする対策しかありません。
一般的にロード用ブレーキキャリパーは25Cまでが多いです。20×0.9のSchwalbe One / Ultremoが23C相当、20×1.1のDuranoは28C相当になるのでご注意ください。
フロントエンド幅は74mmと100mmがあります。前後セットのホイールやスキュアを購入する際は前後ホイールの幅の組合せに注意します。
以上の要素を検討してカスタマイズする自転車とパーツを選定します。パーツの詳細は左上の「カスタマイズ」からご覧ください。